「黒皮が多いのは鮮度が良い証拠???」

筆

ほっけ

 スケソウやホッケのように鱗が弱い魚は一般的に表皮が丈夫なのです。それゆえ、採肉の際に圧力をかけても表皮が 裂けにくく背中や腹の部分から裂けるようになります。特に、鮮度が良いほど圧力に対する抵抗が強く潰れにくいことか ら、いざ潰れるときには、それまでかかった圧力のエネルギーが一気に放出されることなり、魚肉が吐出する勢いが増し ます。その結果、ヒレを巻き込む可能性が高まります。それで「黒皮が多いのは鮮度が良いから」といった話が出るわけ です。もっとも、このような話は、作り方が雑な場合にはまったく当てはまりませんので、念のため。 ちなみに、弊社ではスケソウの表皮に僅かな切れ目を入れることで、このような影響を軽減することに成功したことから 上記の説の間接的裏付けとしております。
黒皮が混入するのは、採肉するときの魚の形態に原因があるという説があります。確かに、上記の理由などはドレスの 場合に考えられることで、フィレーでは起こらないことになります。しかし、現実にはフィレーで処理した場合にも頻度は少 なくなりますが、黒皮はなくなりません。実際例として、ほとんどがフィレー処理してから採肉をしているDAPものでも黒皮 の混入は少ないものの防ぎきれてはいません。上級品で黒皮が少ないのは歩留まりを落としているためで、その分だけ 同じ身からとった二番肉側に移行していると考えるのが妥当でしょう。
黒皮混入を防ぐ最良の方法は歩留まりを落として丁寧に作ることとなるのですが、採算がらみになる話だけに悩ましい 話ではあります。
一般消費者などから、黒皮が「ハエの羽根」とか「髪の毛」といった物騒なものに間違えられるクレーム(?)があると聞 いております。弊社の解析によれば、すり身の黒皮で糸状のものは「腹膜」、ハエの羽根のように見えるものは「ヒレ」か ら由来のものが多いようです。どちらも魚由来のものなのですが、自宅で魚を調理する機会が減った昨今の情勢では、魚 の構造から理解してもらうことは結構根気の要る仕事のようです。
ほっけ

株式会社阿部十良商店様のページから抜粋



横バー
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